農業
耕地面積と農業産出額
日本は国土の2/3が森林で、農民1人あたり耕地が狭いです。
そのため、土地生産性や単位面積の農業産出額を高めてきました。
日本の土地利用(2019年)
耕地率(%) | 牧場・牧草地率(%) | 森林率(%) | 農民1人あたり耕地(ha) | 就農率(%) |
---|
10.4 | 1.6 | 68.4 | 1.7 | 3.4 |
農業就業人口
近年、農業就業人口の減少・高齢化が進行しています。
農業が営まれなくなったことで、耕作放棄地が増加しています。
注1:農業就業人口は、自営農業のみに従事した人、または自営農業以外の仕事に従事していても年間労働日数で自営農業が多い人
注2:1995年以降は販売農家の統計であり、それ以前と異なる
注3:1965年までは60歳以上の割合
農産物の生産と輸入の転換
米
第二次世界大戦以降
食糧管理法
国が農家から自給用以外の米を買取り、市場への流通までを管理して米価を維持
確実な買取りで農家の所得が保障され、米の生産が増加
高度経済成長期
1970年代
減反政策
稲の作付けを制限し、米以外の作物栽培への転換を促進
1995年
1999年
現行の米の流通ルート
米以外
1991年
牛肉・オレンジの輸入自由化
以降、他の農作物も輸入規制を緩和
2001年
中国からの安い野菜が国内農業に重大な損害を与えているとし、例外的に輸入制限をかける措置(セーフガード)を発動
食料自給率
食料自給率(2017年、%)
食料自給率 | 食料 自給率① | | 穀物 | 粗粒 穀物 | 豆類 | 野菜 類 | 果実 類 | 肉類 | 卵類 | 牛乳・ 乳製品 |
食用 穀物② | うち 小麦 |
フランス | 130 | 170 | 172 | 187 | 167 | 84 | 72 | 62 | 100 | 99 | 118 |
ドイツ | 70 | 112 | 121 | 131 | 99 | 16 | 46 | 27 | 112 | 72 | 203 |
イタリア | 63 | 63 | 73 | 62 | 53 | 42 | 146 | 108 | 74 | 97 | 81 |
日本 | 38 | 28 | 63 | 16 | 1 | 7 | 79 | 38 | 52 | 96 | 59 |
イギリス | 68 | 94 | 92 | 97 | 98 | 46 | 46 | 10 | 72 | 91 | 90 |
アメリカ | 131 | 119 | 148 | 148 | 115 | 193 | 87 | 73 | 103 | 103 | 112 |
①カロリーベース ②米・小麦・ライ麦など
地域別の農業産出額の内訳
稲作の盛んな地域
野菜栽培の盛んな地域
果樹栽培の盛んな地域
畜産の盛んな地域
林業
森林面積と自給率
日本は国土の2/3が森林です。
かつては高い森林率を活かして、木材をほぼ自給していました。
しかし、近年は安価な輸入材の増加で、木材自給率が低下しました。
日本の土地利用(2019年)
耕地率(%) | 牧場・牧草地率(%) | 森林率(%) | 農民1人あたり耕地(ha) | 就農率(%) |
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10.4 | 1.6 | 68.4 | 1.7 | 3.4 |
木材輸入先
以前の日本は、東南アジア諸国から丸太を輸入していました。
1980年代、インドネシアが森林の保護や合板などの加工品の輸出を目的に、丸太の輸出を規制しました。
1980年代後半、マレーシアも丸太の輸出を規制し、日本の木材輸入に占める東南アジアの割合は減少しました。
合板などに加工すると付加価値をつけて輸出可能
近年、日本の木材輸入先は多角化しています。
林業の課題
現在はやや回復傾向にありますが、日本の木材自給率が低下した理由には、次のことがあげられます。
- 海外からの安価な木材の輸入
- 林業従事者の減少と高齢化
1980年代以降、日本の木材自給率とともに林業の従事者は減少を続けています。
間伐などの管理が不十分な森林が増加しています。
水産業
漁獲量の推移
日本の漁獲量はかつて世界最大でした。
高度経済成長期
安価な燃料に支えられ、遠洋漁業が増加しました。
1970年代
次の2つを背景に、遠洋漁業が激減しました。
- 2度の石油危機(1973年・1979年)による燃料の高騰
- 排他的経済水域(EEZ)の設定
遠洋漁業の減少分を補うために、沖合漁業が急増しました。
1980年代後半
乱獲や海洋の変化によって沖合漁業が減少しました。
近年
水産物の輸入が増加しています。
日本人によるエビ需要に応えるため、東南アジアではマングローブを破壊して養殖場を造成しています。
水産物の輸入