温帯
気候区
気候帯が寒帯(E)・乾燥帯(B)のどちらでもない場合、最寒月平均気温が-3℃以上18℃未満なら温帯(C)になります。
温帯(C)は、ここから4つの気候区に分かれます。
降水型がsならCs、wならCw、fで最暖月平均気温が22℃未満ならCfb、fで最暖月平均気温が22℃以上ならCfaです。
4つの気候区と表記をまとめると、次の通りです。
- Cs
地中海性気候
- Cfb
西岸海洋性気候
- Cfa
温暖湿潤気候
- Cw
温暖冬季少雨気候
Cs(地中海性気候)
地中海性気候の分布
特色・成因
緯度30~40度の大陸西岸に発達します。
夏は北上した中緯度高圧(亜熱帯高圧)帯の影響で乾燥し、冬は海洋から吹き込む偏西風と高緯度低圧(亜寒帯低圧)帯の影響で少し降雨が見られ、比較的温暖です。
北半球夏(南半球冬)の配置
北半球冬(南半球夏)の配置
植生
オリーブやコルクがしなど、乾燥に強い硬葉樹が多く分布します。
オリーブ
コルクがし
土壌
石灰岩の風化による赤い土壌テラロッサが、地中海周辺に分布しています。
この土壌はオリーブの栽培に適しています。
生活
農業
夏は乾燥に強いブドウやオリーブなどを栽培し、冬は降水を利用して小麦を栽培します。
このような農業を地中海式農業と言います。
住居
住居は、森林に比べて豊富な石を利用します。
地中海周辺には石造りの白い家が多く見られます。
この白は石灰で、遮熱効果を期待したものです。
エーゲ海の建物
分布・都市
地中海性気候の主要都市
代表都市の雨温図・ハイサーグラフ
雨温図(ローマ)
ハイサーグラフ(ローマ)
Cw(温暖冬季少雨気候)
温暖冬季少雨気候の分布
特色・成因
南北回帰線(緯度23度26分)付近の大陸東岸に発達します。
サバナ気候付近の地域では、夏は赤道低圧帯の影響で高温多湿、冬は中緯度高圧(亜熱帯高圧)帯の影響で比較的温暖で乾燥します。
大陸東岸の地域では、季節風の影響で夏に高温多湿、冬に温暖で乾燥します。
北半球夏(南半球冬)の配置
北半球冬(南半球夏)の配置
植生
シイ・カシ・クスなど照葉樹が多く分布します。
ただし、落葉広葉樹・針葉樹も見られます。
シイ
土壌
降雨により有機物が溶脱し、アルミニウムや鉄の酸化物が集積した酸性の赤黄色土が分布します。
赤黄色土
生活
アジアでは、稲作や畑作が多く営まれます。
特に、中国華南では温暖な気候を利用して、米の二期作がおこなわれます。
分布・都市
温暖冬季少雨気候の主要都市
代表都市の雨温図・ハイサーグラフ
雨温図(香港)
ハイサーグラフ(香港)
Cfb(西岸海洋性気候)
西岸海洋性気候の分布
特色・成因
主に緯度40~60度の大陸西岸で見られます。
高緯度のわりには、同緯度の他地域に比べて、夏は冷涼、冬は比較的温暖です。
そのため気温の年較差は比較的小さくなります。
また、高緯度低圧(亜寒帯低圧)帯の影響で年中降雨があります。
西ヨーロッパにおいて、この気候になる理由は、偏西風と暖流の北大西洋海流の影響です。
植生
ブナなどの落葉広葉樹が多く、針葉樹も見られます。
ブナ林
土壌
表層に腐植を含む、暗褐色で中性から弱酸性の土壌褐色森林土が分布します。
生活
次のような様々な農業形態が見られます。
住みやすく人口が多く分布し、商工業が発達しています。
分布・都市
西岸海洋性気候の主要都市
代表都市の雨温図・ハイサーグラフ
雨温図(ロンドン)
ハイサーグラフ(ロンドン)
Cfa(温暖湿潤気候)
温暖湿潤気候の分布
特色・成因
大陸東岸に発達し、夏は高温、冬は寒冷になります。
これにより、気温の年較差は大きくなります。
四季の変化がはっきりし、季節風の影響で年間を通して降水が見られます。
また、台風・ハリケーンなど熱帯低気圧が降雨をもたらします。
植生
常緑広葉樹・落葉広葉樹・針葉樹の混合林(混交林)が分布します。
混合林(混交林)
土壌
表層に腐植を含む、暗褐色で中性から弱酸性の土壌褐色森林土や黒色のプレーリー土が分布します。
生活
アジアでは稲作や畑作が営まれます。
アメリカでは中部・西部でとうもろこし
の栽培が、南部で綿花の栽培が大規模に営まれます。
西岸海洋性気候の地域と同様に、住みやすく人口が多く分布し、商工業が発達しています。
分布・都市
温暖湿潤気候の主要都市
代表都市の雨温図・ハイサーグラフ
雨温図(東京)
ハイサーグラフ(東京)