エネルギー資源

表記について

エネルギー資源

エネルギーの種類

エネルギー資源は次の2つに大きく分けられます。

利用の変化

産業革命以前

薪炭・水力・風力などの再生可能な資源を小規模に利用していました。

産業革命期(18世紀半ば)

産業革命後、蒸気機関などの動力機関の使用が始まりました。
化石燃料の石炭の大量消費が進みました。

蒸気機関
石炭
石炭

20世紀初め

自動車の燃料や合成繊維・合成ゴムなどの原料として、石油の需要が高まりました。
原油
地中から採取したばかりの石油
原油
原油

1960年代後半

石油の消費量が、石炭の消費量を上回りました。
このように主に使用されてきたエネルギー源が別のエネルギー源に移行することをエネルギー革命と呼称します。
エネルギー革命の背景は、石油が石炭に比べ熱効率が高い燃料であり、また、流体のため大型タンカーパイプラインで運べるからです。
石油タンカー「アブ・カイク」
石油タンカー「アブ・カイク」
石油タンカーの側面図
石油タンカーの側面図
石油のパイプライン
石油のパイプライン

1970年代

1973年・1979年、石油危機によって石油価格が高騰しました。
この出来事の経験から、石油偏重を見直し、天然ガス・石炭・原子力が併用されるようになりました。

石油-エネルギーの要

石油の概説

石油について、次の4つの事項をおさえましょう。
油田の地質構造
油田の地質構造
油田の分布
油田の分布
新期造山帯
新期造山帯

西アジアの油田

石油の埋蔵量のうち、約半分は西アジアに集中します。
1950~60年代に多くの油田がペルシア湾に発見されて以来、西アジアは石油供給の中心となってきました。
特にサウジアラビアは、アメリカやロシアと並ぶ産油国で、世界最大の輸出国です。

他地域の油田

石油危機を経て以降、西アジア以外でも油田開発が進められました。
例えば、北海の北海油田やアメリカ合衆国アラスカ州のプルドーベイ油田などが開発されました。
原油の埋蔵
国名億t(2020年)
ベネズエラ480
サウジアラビア409
カナダ271
イラン217
イラク196
ロシア148
原油の生産
国名万t(2019年)
アメリカ合衆国60,412.6
ロシア52,758.6
サウジアラビア48,886.5
イラク23,147.8
中国19,101.4
カナダ18,969
原油の輸出
国名万t(2019年)
サウジアラビア35,080.2
ロシア26,733.7
イラク19,494.1
カナダ16,494.6
アメリカ合衆国14,707.4
アラブ首長国連邦12,020.6
原油の輸入
国名万t(2019年)
中国50,567.6
アメリカ合衆国33,545
インド22,695.5
日本14,538.2
韓国14,455.5
ドイツ8,599.1

石炭-埋蔵量の多い化石燃料

石炭の概説

石炭について、次の事項をおさえましょう。
炭田の分布
炭田の分布
古期造山帯
古期造山帯

炭田の開発

石炭はユーラシア大陸やアメリカ大陸に多く分布しています。
石炭の生産は、これら大陸の国々で多く、露天掘りで大規模に発掘したりします。
露天掘り
坑道を掘らず、地表から鉱産物を直接削り取る採掘方法
石炭は火力発電の燃料や製鉄の原料として利用されるため、多くの国で輸入されています。
日本の輸入先は、オーストラリアインドネシアが半分以上を占めています。
石炭可採埋蔵
国名億t(2020年)
アメリカ合衆国2,189.4
中国1,350.7
インド1,059.8
オーストラリア737.2
ロシア717.2
ウクライナ320.4
石炭の生産
国名万t(2019年)
中国3,697.7
インド728.7
インドネシア548
オーストラリア410.9
ロシア358.6
アメリカ合衆国325.8
石炭の輸出
国名万t(2019年)
インドネシア42,906.1
オーストラリア38,194.4
ロシア21,912.5
アメリカ合衆国9,792.6
コロンビア8,359.3
南アフリカ共和国7,043.1
石炭の輸入
国名万t(2019年)
中国28,209.8
インド23,524
日本18,372.4
韓国12,574.9
ドイツ4,481.6
トルコ3,832.9

天然ガス-高まる需要

天然ガスの概説

天然ガスついて、次の3つの事項をおさえましょう。
天然ガスの埋蔵
国名兆㎥(2020年)
ロシア37.4
イラン32.1
カタール24.7
トルクメニスタン13.6
アメリカ合衆国12.6
中国8.4
天然ガスの生産
国名億㎥(2019年)
アメリカ合衆国9,621.6
ロシア7,660.8
イラン2,326.6
カナダ1,880.2
中国1,761.7
カタール1,676.1
天然ガスの輸出
国名億㎥(2019年)
ロシア2,598.5
アメリカ合衆国1,318.5
カタール1,246.8
ノルウェー1,131.6
オーストラリア1,017.3
カナダ766.3
天然ガスの輸入
国名億㎥(2019年)
中国1,241.8
日本1,016.8
ドイツ947.9
アメリカ合衆国776.4
イタリア710.7
オランダ592.9

電力

電力生産

電力は、他のエネルギー(石油・石炭・天然ガスなど)を利用して発電機を回し、生産するエネルギーです。
このように、人間が加工して作るエネルギーを2次エネルギー呼びます。
各発電の方法や特性は次の表の通りです。

従来の発電

  火力発電 水力発電 原子力発電
電源 石炭・石油・天然ガス 流水 ウラン
立地 大消費地の付近 落差が得られる山間部 地方の臨海部
経費 設備費・送電費が安いが、燃料費が高い ダム建設費・送電費が高いが、燃料費は無料 設備費・補償費が高いが、燃料費は安い
問題点 大気汚染・酸性雨・地球温暖化 森林・農地・集落の水没などの自然環境破壊 事故による放射能汚染・放射性廃棄物の処理問題
依存度が高い国 アメリカ・日本など先進工業国 ブラジル・ノルウェー・カナダ フランス・ウクライナ・スウェーデン

再生可能エネルギーの発電(水力除く)

  風力発電 太陽光発電 地熱発電 バイオマス発電
電源 太陽光 マグマの熱で加熱された蒸気 バイオエタノール(とうもろこし・さとうきびなど)
立地 強く安定した風が得られる広い土地 日照時間が長い地域 火山地帯 原料の供給地
問題点 騒音、不安定な発電 パネルの定期的メンテナンス、自然環境の破壊 発電効率が悪い、設置場所が国立・国定公園と重なる 収集や運搬、管理
先進国 中国・アメリカ・ドイツ・デンマーク ドイツ・イタリア・中国 フィリピン・インドネシア・フィリピン・日本・アイスランド アメリカ・ブラジル

火力発電

火力発電は、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料を燃やして発生した蒸気でタービンを回転させ、電力を得ます。
世界の多くの国が石油を利用した火力発電です。
ただし、火力発電の中心が石炭という国もあります。

水力発電

ノルウェーブラジルカナダ・中国・アメリカ・が、水力発電の割合が多くなっています。
特にノルウェーは、総発電量の95%ほどが水力発電になっています。
水力発電の割合が高いのは、ノルウェー・ブラジル、水力による総発電量が多いのは、中国・ブラジル・カナダ・アメリカです。
アメリカの水力発電の割合は数%ですが、それでも発電量で世界第4位

水力発電に頼れる理由

カナダの発電事情
大陸氷河に覆われていた地域には、多くの氷河湖が分布します。
本来は、落差をつけるためにダムを造り、人造湖を形成するのですが、かつて大陸氷河に覆われていたカナダには氷河湖がたくさんあり、氷食による急傾斜が得られます。
そのため、カナダでは水力発電が盛んになっています。
ノルウェーの発電事情
安定した降水も水力発電を盛んにする条件の一つです。
ノルウェーを例えにして考えてみましょう。
ノルウェーとスウェーデンの間には、期造山帯のスカンディナヴィア山脈が南北に走っています。
ノルウェーは、年間を通して偏西風の影響を受け、ヨーロッパの中でも特に降水量が多い国です(年降水量2000mm超)。
ヨーロッパのほとんどの国々は、年降水量が1000mm未満
ノルウェーは降水量のほかに氷河の侵食をうけて急傾斜地もあり
ノルウェーの降水
ノルウェーの降水
ブラジルの発電事情
熱帯気候が広がるため、ブラジルは降水量が多く、流量の多い大河川があります。
このため、ブラジルの水力発電量は、総発電量の半数以上を占めています。

原子力発電

フランスの発電事情
フランスは、石炭・石油・天然ガスなどのエネルギー資源があまり豊富ではありません。
ウランは、フランス南部のサントラル高地や旧仏領ニジェールで産出します。
これをうけ、フランスは原子力発電に力を入れてきました。
原子力発電の問題
事故による放射能汚染の危険性や使用済み核燃料と放射性廃棄物の処理問題など解決しなければならない課題が多くあります。
次の3つの原子力発電所では、大規模な事故が起きました。
事故のたびに各国の原子力政策が見直されてきましたが、ロシア・中国・韓国・フランスなどは依然として原子力発電に積極的です。