衣食住・民族・言語・宗教

表記について

衣食住

衣服

衣服は、気候にあわせて次のようになります。
熱帯地域:
放熱性や吸湿性を重視し、麻や綿を用いたゆったりした衣服
乾燥地域:
全身を覆うような衣服
寒冷地域:
  • 防寒のために密閉性の高い衣服
  • 古くは動物性由来の素材
さらに民族ごとの文化にあわせて独自の衣服にわかれます。

飲食

主食

主食にされる穀物は、次のように地域で栽培される作物と関係があります。
米:
モンスーンアジアに分布
麦:
世界各地に分布
雑穀(アワ・ヒエ・トウモロコシなど):
中米やアフリカに分布
いも類:
南米やアフリカ赤道付近に分布
トルティーヤ
メキシコで食べられる、とうもろこしの粉を練って薄く焼いたもの
これに豆や肉・魚介類・野菜などを包んだものがタコス
トウモロコシ
先進国では飼料にされることが多く、アメリカではバイオ燃料にも利用
トルティーヤ
トルティーヤ
タコス
タコス

飲料

茶:
生産が多い国(中国・インド)でよく消費
イギリス・ロシア・トルコも茶の消費が多い
コーヒー:
アメリカが世界最大の消費国
アルコール飲料:
様々な原料から作られて多種多様
ワインの生産は地中海性気候下に集中(ワインベルト)
ワインベルト
ワインベルト

宗教上の食の禁忌

イスラーム:
豚(不浄の動物だから)
酒(飲むと悪い影響の方が多いから)
ヒンドゥー教:
牛(神聖な動物だから)
牛乳や乳製品は問題なし
南アジアでは、1人あたりの肉類の消費量が少なくなります

地域ごとの食肉の特徴

ヨーロッパ
ヨーロッパ諸国(ウクライナ付近含む)は、動物性たんぱく質の多くを肉類から摂取しているため、1人当たり食料供給量が比較的高くなります
中央アジア
イスラームの信者が多い中央アジア諸国は、教義上の禁忌となっている豚肉の生産量・消費量が極めて少なくなります
日本
近年食生活の洋風化が進んでいますが、伝統的に畜肉の消費は少なく、たんぱく質の摂取は大豆や魚介類に依存する割合が高いです。
肉類の1人当たり食料供給量は他の先進国に比べて低いです

住居

樹木気候(A・C・D):
木造家屋が多い
植生が少ない地中海性気候では白い石造家屋が多い
無樹木気候(B・E):
日干しレンガ造りやブロック状に切り出した圧雪の積み上げ(カナダ北部の先住民イヌイットのイグルー)、簡易テントなど
日干しレンガの家
日干しレンガの家
イグルー
イグルー

住居の工夫

乾燥地域
外気の熱や砂塵を防ぐため、壁の開口部が小さい
朝鮮半島
オンドルと呼ばれる、炊事の煙を床下に通して室内を暖める設備を利用
熱帯地域:
通気性の向上や災害・獣害を避けるために高床式住居
寒冷地域:
熱が地下に伝わって永久凍土が溶けないように高床式住居
オンドル
オンドル
寒冷地域の高床式住居
寒冷地域の高床式住居

民族・言語

人々の区別

人種

肌の色や毛髪など身体的特徴で人を区別したものが人種です。
人種は次の3種類に大別されます。

民族

言語・宗教などの各文化の大部分や「私たちは~人」という意識を共有する集団を民族と言います。
肌の色や毛髪など身体的特徴で人々を区別する人種と異なり、文化的特徴で区別するものです。
民族を区別する1つの指標に言語があります。
民族を区別する際に、特に言語に注目し、文法の特徴などで比べ分けたものを語族と言います。
語族 語派・言語
インド=ヨーロッパ語族 ゲルマン語派:
英語・ドイツ語・オランダ語・スウェーデン語・ノルウェー語
ラテン(ロマンス)語派:
イタリア語・フランス語・スペイン語
スラヴ語派:
ポーランド語・チェコ語・ロシア語
ケルト語派:
アイルランド語
アフロ(アフリカ)=アジア語族 アラビア語・エチオピア語・ヘブライ語・エジプト語・ベルベル語
ウラル語族 フィンランド語・ハンガリー語・エストニア語
アルタイ語族 トルコ語・モンゴル語・カザフ語・ウズベク語
シナ=チベット語族 中国語・チベット語・タイ語・ミャンマー語
オーストロ=アジア語族 ベトナム語・カンボジア語
オーストロネシア語族 マレー語・フィリピノ語・ジャワ語・ポリネシア語・マオリ語
ニジェール=コルドファン語族 マサイ語・コイサン語・バンツー諸語
ヨーロッパの語派
ヨーロッパの語派
語族
語族の分布
世界の主な言語別人口
国名百万人(2022年)
中国語1,323
スペイン471
英語370
アラビア語349
ヒンディー語342
ポルトガル語232
ベンガル語229
ロシア語154
日本語126
ラフンダー語100

人種と語族の関係

人種と語族は、次のようにまとめられます。
黄色人種:アルタイ語族・ウラル語族・中国=チベット語族
白色人種:アフロ(アフリカ)=アジア語族、インド=ヨーロッパ語族
黒色人種:ニジェール=コルドファン語族

複数の公用語の国

多民族国家では、民族ごとの言語を認め、公用語を複数設定したりします。
公用語
国や公共団体が公に情報発信する際に使用を義務づけられている言語
インド:
ヒンドゥー語・英語など(21言語)
ベルギー:
オランダ語・フランス語・ドイツ語
南部のフランス系ワロン人(フランス語)と北部のオランダ系フラマン人(オランダ語)が公用語をめぐって対立
スイス:
フランス語・ドイツ語・イタリア語・ロマンシュ語
カナダ:
英語・フランス語
2言語教育に取り組み、義務教育期間中に第二言語を習得するための授業を設定(第一言語が英語の人は第二言語にフランス語を選択)
シンガポール:
中国語・マレー語・タミル語・英語
教育やビジネスの場では語が共通語

宗教

世界宗教と民族宗教

世界宗教

世界宗教とは、人種や民族の枠を超えて信仰されている宗教を指します。
例えば、キリスト教・イスラーム・仏教が該当します。

民族宗教

民族宗教とは、特定の民族のみに信仰されている宗教を指します。
ヒンドゥー教・ユダヤ教・神道・道教が該当します。

キリスト教

キリスト教はユダヤ教から派生し、イエスが創始した宗教です。

基礎知識

聖典:
旧約聖書(ユダヤ教の聖典)・新約聖書
聖地:
エルサレム

3つの宗派

キリスト教は次の3つの宗派に大きく分かれます。
カトリックの教えでは避妊・中絶が好ましくないこととされます。
アメリカに移民したヒスパニック系にはカトリックが多く、多産傾向となります。

イスラーム

ムハンマドが創始した宗教です。

基礎知識

聖典:
コーラン
聖地:
メッカ・メディナ・エルサレム
禁忌
飲食(豚・酒)、人前での女性の肌の露出
太陰暦(月の満ち欠けが周期)
イスラーム教徒(ムスリム)が多い国では、豚の飼育が少なくなります。
女性
イスラーム教徒が多い国では女性の地位が低く、社会進出が遅れています。

2つの宗派

イスラームは次の2つの宗派に大きく分かれます。

仏教

釈迦(ブッダ)が創始した宗教です。
仏教では、悟りを開き、「仏」になることが目指されます。

2つの宗派

仏教は悟りを開く方法で次の宗派にわかれます。
ラマ教
チベットに伝来した仏教が現地の民族宗教と混合

ヒンドゥー教

古代インドのバラモン教から派生した宗教です。

基礎知識

禁忌:飲食(牛)
聖地:
ヴァラナシ
シヴァという神の乗り物であり、聖なる動物

カースト制度

カースト制度と呼ばれる社会制度があり、ヒンドゥー教徒は生まれながらにして定まった社会集団の一員として生きていきます。
職業・結婚・職業などを別の社会集団とともにしないという習慣が、現在も根強く残っています。