概要
約1万年前に地球は完新世になりました。更新世から完新世に至る過渡期には、気候が次第に温暖になり、人類は新石器時代を迎えました。また、日本列島では縄文時代が始まり、人々は縄目文様の土器を使用しました。これらの時代に生じる動植物の変化、海面の上昇は、気候の温暖化を成因とすることに留意しましょう。
表記について

自然環境の変化

更新世から完新世への過渡期

更新世から完新世(約1万年前~現在)に至る過渡期に、 地球の気候は次第に温暖になりました
日本列島では次の3つの変化が生じました。

更新世~完新世の気候

縄文時代の展開

時代区分の変化

地球が約1万年前に更新世から完新世に移った頃、2つの時代区分も変化しました。
石器による区分
旧石器時代から新石器時代(約1万2000年前~)
土器による区分
先土器時代から縄文時代(約1万2000年前~)

食料獲得と生活の変化(①~③は上記参考)

縄文時代の食料獲得の手段には、次の3つがありました。
狩猟
変化①により、Ⓐ中・小型動物(イノシシ・ニホンシカ)が狩猟対象
採取
変化②により、Ⓑ豊富な木の実(クリ・クルミ・カシ)が採取可能
漁労
変化③により、Ⓒ食料獲得の手段に新たに追加
これらは、旧石器時代と比べて食料獲得手段の多様化を意味します。

カシ(照葉樹)

コナラ(落葉広葉樹)
これによって生活が安定し、定住生活が始まりました
住居は竪穴住居で、飲料水確保のために水辺近くの台地に立地しました。
住居以外に、食料を保存する貯蔵穴群や墓地、ゴミ捨て場の貝塚がありました。
これら住居・設備をもち、人々は20~30人程度の集団で生活しました。

竪穴住居の断面
3つの鉱物の分布から、こうした集団は遠方の集団と交易をおこなったと分かります。
黒曜石(産地:北海道白滝、長野県和田峠、大分県姫島
サヌカイト(産地:岐阜県下呂、和歌山県 二上山、香川県金山・五色台)
ひすい(産地:長野県~新潟県(姫川流域)

鉱物産地の分布

道具の変化(Ⓐ~Ⓒは上記参考)

打製石器とともに、磨製石器を様々な場面で利用しました。

狩猟

Ⓐにより、素早い中・小型動物を捕らえるために、弓矢落とし穴を利用しました。
石器としては、矢の先に取り付ける石鏃や、 動物の皮を剥ぐための石匙などが利用されました。

石鏃

石匙

採取

Ⓑにより、採取した木の実を石皿・すり石ですり潰したり、土器で煮て灰汁あく 抜きしたりしました。
土器は縄目文様をもつことから縄文土器と呼ばれ、低温(600℃程度)で焼成されたために、厚手で黒褐色です。

石皿・すり石

縄文土器(中期)
縄文時代は、土器の特徴の差異から6つの時期に区分されます。
草創期・早期・前期・中期・後期・晩期の6つです。
中期
縄文土器の最盛期
晩期
亀ヶ岡式土器に代表される精巧な土器がつくられた時期

漁労

Ⓒにより、骨・角を材料とした骨角器(釣り針・もり など)や、丸木舟と呼ばれる舟を利用しました。

骨角器

信仰と儀礼

アニミズム(自然物・自然現象に霊威が存在するという考え)がありました。
屈葬という葬法は、一説によるとアニミズムに基づきます。

アニミズム

屈葬

風習を示す遺物

女性を象る土偶、男性生殖器を表現した石棒があります。
土偶
意図的な欠損が見られ、男性を象るものもごく少数あり

土偶

石棒

通過儀礼

通過儀礼には、抜歯の風習があった。

抜歯

縄文時代の遺跡