概要
第二次世界大戦後、朝鮮は北緯38度で南北に分断されました。1950年、北朝鮮が武力での統一を目指して韓国に侵攻し、朝鮮戦争が始まりました。国際連合は北朝鮮への制裁を決定し、アメリカ軍を主力とする国連軍が派遣されました。これに対して、中国が義勇軍を派遣して北朝鮮を支援しました。一進一退の戦いが続きましたが、1953年に休戦協定が結ばれ、武力衝突はひとまず終わります。朝鮮戦争はまさに冷戦中の米ソの代理戦争でした。米ソの対立は、核兵器開発・宇宙開発でもみられ、技術が激しく競われました。
朝鮮戦争
朝鮮戦争の勃発
1950~53年、
朝鮮戦争
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の軍が、北緯38度線を越えて大韓民国(韓国)に侵攻して始まった戦争
①安全保障理事会
(ソ連は欠席
)が武力制裁を決め、アメリカ軍を中心とする国連軍を派遣
②国連軍が韓国を支援して
北朝鮮軍を押し返し、1951年、北緯38度線を越境
③これに対して、中華人民共和国が北朝鮮を支援して義勇軍を派遣し、
戦線が膠着
④1953年、板門店
で休戦協定調印
巻き返し政策
朝鮮戦争を機に、アメリカは従来の「封じ込め政策」からの転換を決めました。
1953年、アメリカ大統領アイゼンハワー(アイゼンハウアー)は、軍事同盟を結び、積極的に反撃に出る「巻き返し政策」を掲げました。
日本の同盟化
朝鮮戦争中
、アメリカは次のように日本の同盟化と独立を急ぎました。
その他の西側陣営の条約・機構
- 1951年、太平洋安全保障条約
(ANZUS)
アメリカ・オーストラリア
・ニュージーランド
の集団防衛条約で、南太平洋における反共産主義の軍事同盟を結成
- 1955年、バグダード条約機構
(中東条約機構、METO)
トルコ
(北大西洋条約機構の加盟国)・イラク・イギリス・イラン・パキスタンが結成した反共産主義の軍事同盟
イラク
でクーデタにより反西欧的政権が登場し、1959年に同盟を離脱したために中央条約機構(CENTO)と改称
核兵器と宇宙
核兵器開発競争
1949年、ソ連
が原子爆弾の製造に成功しました。
1952年、アメリカが最初の水爆(水素爆弾)の実験をおこないました。
1953年、対抗したソ連も水素爆弾の保有を明らかにしました。
1954年、アメリカ
がビキニ環礁で水爆実験をおこない、日本の漁船(第五福竜丸)が被ばくしました。
核兵器開発競争が加熱する一方で、世界各地で核兵器の廃絶を求める次の動きが生じました。
宇宙開発競争
20世紀初頭、ライト兄弟
が飛行機を開発し、初飛行に成功しました。
飛行機は、第一次世界大戦で
兵器に利用され、第二次世界大戦で大量輸送・長距離飛行が可能になりました。
冷戦の核兵器開発競争の一環として、ロケットの分野の開発が次のように競われました。
1957年、ソ連
が人工衛星スプートニクの打ち上げ成功
1958年、アメリカがアメリカ航空宇宙局(NASA)の設立
1969年、アメリカ
(大統領ニクソン
の在任中)がアポロ11号によって人間の月面着陸に成功
ライト兄弟の初飛行