概要
国際機関には、地域の連帯を深めることを目的にした機関があります。経済・政治・通貨の統合を目指すのが、ヨーロッパ連合です。国境を越えた人に移動の自由化やユーロの導入によって、ヨーロッパは一つの地域になろうとしています。アジアでも、このような地域の結びつきを強めるために、東南アジア諸国連合が結成されました。
貿易と地域統合の推進
自由貿易の促進
第二次世界大戦後、関税と貿易に関する一般協定(GATT)によって輸入関税が引き下げられ、貿易の自由化が図られました。
しかし、農業やサービス業の関税については、議論が続けられていました。
1986年、南米のウルグアイに各国代表が集まり、農業やサービス業の関税引き下げの交渉をおこないました。
1995年、
世界貿易機関
(
WTO
)発足
GATTに代わって設立された、モノ・サービスの自由
貿易を促進するための国際機関
地域統合
ヨーロッパ
1985年、ECの加盟国は単一欧州議定書に調印し、人の移動や金融取引の域内自由化に踏み切りました。
1992年、
マーストリヒト条約
締結
ヨーロッパ共同体(EC)加盟国で合意し、ヨーロッパ連合(EU)の設立を定めた条約
1993年、
ヨーロッパ連合(
EU)発足
マーストリヒト条約
締結によって発足したヨーロッパ統合組織
共通通貨ユーロ
を、1999年に貿易などの決済に、2002年に一般取引に導入
中・北アメリカ
1994年、
北米自由貿易協定
(
NAFTA)
アメリカ
・カナダ
・メキシコ
の3国が、関税を撤廃して貿易拡大を目指す地域協定
1988年にアメリカ・カナダが締結した自由貿易協定に、メキシコを加えたもの
アジア太平洋
1989年、
アジア太平洋経済協力会議
(
APEC)
日本・大韓民国・アメリカ・オーストラリア
・ニュージーランド・ASEAN加盟国で発足した会議
アフリカ
2002年、
アフリカ連合
(
AU)
1963年に結成されたアフリカ統一機構
(OAU)が、紛争解決や経済統合の推進のために発展
G20
1999年、先進国で構成するG8とEUに新興国を加えたG20の会合が発足しました。