南北アメリカ文明

表記について
概要
アメリカ大陸には、氷河時代の氷期にモンゴロイド系の人々が定着しました。のちにヨーロッパの人々から「インディアン」と呼ばれるこの人々は、南北アメリカに独自の文明を築きました。この地を原産とする食品は、大航海時代にヨーロッパやアジアに運ばれ、各地の食文化を大きく変えていきました。

南北アメリカ文明

アメリカ大陸原産の食品

トウモロコシ・サツマイモ・ジャガイモ・トマトなどの食品はアメリカ大陸を原産地とし、当時のヨーロッパやアジアにはありませんでした。
前2千年頃から、これらを栽培する農耕文化が発展し、アメリカ大陸では独自の文明が成立しました。
上記の食品は、大航海時代以降ヨーロッパの人々の手で世界各地に伝えられ、食生活を変えていきました。

文明の成立と発展

前1200年頃までに、アメリカ大陸で最も最初に生まれた文明オルメカ文明が、メキシコ湾岸で成立しました。
この文明は周辺の諸文明に影響を与え、「母なる文明」と呼ばれています。
オルメカ文明の巨石人頭像
オルメカ文明の巨石人頭像

ユカタン半島の文明

前1000年頃から、マヤ文明が中央アメリカのユカタン半島に成立し、16世紀まで続きました。
ピラミッド状の建築物、二十進法による数の表記法、精密な暦法、マヤ文字など独自の文明を発達させました。
ユカタン半島とマヤ
ユカタン半島とマヤ

メキシコ高原

前1世紀、テオティワカン文明メキシコ高原に成立しました。
太陽のピラミッド」などの建造物を残しています。
太陽のピラミッド
太陽のピラミッド
14世紀、アステカ人がアステカ王国メキシコ高原に建国し、テノチティトランを首都としました。
アステカ王国では、王による神権政治がおこなわれました
アステカ王国
アステカ王国

アンデス高地

前1000年頃、アンデス高地の北部にチャビン文化が成立しました。
以降、様々な王国が現れました。
15世紀、広大な範囲に及ぶインカ帝国が成立し、クスコを首都としました。
インカ帝国では、王は太陽の子(化身)として崇拝されました
インカ帝国は、けわしい山岳上の都市マチュ=ピチュの遺跡などの石造建築を残しています。
また、文字はもたなかったものの、記録・伝達手段として、キープ結縄けつじょう)を使用しました。
インカ帝国
インカ帝国
マチュ=ピチュ
マチュ=ピチュ

南北アメリカ文明の共通点

いずれの文明も金・銀・青銅器はもっていましたが、鉄器は用いられませんでした