超大陸
約2億年前まで、地球上の大陸は、1つの巨大な大陸であったと考えられています。
この巨大な大陸をパンゲア(超大陸)と呼びます。
パンゲアは、やがて北半球のローラシアと南半球のゴンドワナの2つの大陸に分裂しました。
ローラシアは、現在の北アメリカやヨーロッパ、インド亜大陸を除くアジアで構成されました。
ゴンドワナは、現在の南アメリカ・アフリカ・マダガスカル・オーストラリア・インド亜大陸・南極大陸で構成されました。
現在の大陸は、ローラシア・ゴンドワナがさらに分裂して形成されたと考えられています。
大陸移動説
プレートテクトニクス
大陸移動説
「1つの巨大な大陸が分裂して現在の大陸になった」という学説は、ウェゲナーに提唱され、大陸移動説と呼ばれています。
ウェゲナー本人は、なぜ大陸が移動するかを解明できませんでした。
しかし今日では、プレートテクトニクスで説明できます
プレート
地球の表面には、プレートと呼ばれる岩盤が十数枚存在しています。
プレートは、下部のマントル対流で少しずつ移動します。
このようなプレートの動きや仕組みのことを、プレートテクトニクスと言います。
大陸の移動は、プレートの動きによって生じたのです。
地球の断面とプレート
*厳密な意味でのプレートとは少し異なる
主要なプレート
*矢印は移動方向
現在の大陸
大陸名
大陸はパンゲア、ローラシア・ゴンドワナと分裂していき、現在は次の6つの大陸が存在します。
- ユーラシア大陸
- 北アメリカ大陸
- 南アメリカ大陸
- アフリカ大陸
- オーストラリア大陸
- 南極大陸
表面積
地球の全表面積は5.1億㎢です。
また、陸地と海洋の面積比率=3:7です。
従って、「陸地の表面積=1.5億㎢」となり、表面積は北半球に偏ります。
緯度ごとの陸地・海洋の比
プレートの境界と大地形
プレートの境界
プレート同士の境界は、プレートの移動の仕方に応じて次の3つに分類できます。
広がる境界
広がる境界では、プレートが両側へ広がります。
境界が陸上か海洋上かで形成されるものが異なります。
広がる境界
広がる境界
陸上の場合
陸上でプレートが両側へ広がる場合、境界部分に地溝が生じます。
アフリカ大陸のアフリカ大地溝帯が代表的です。
陸上の広がる境界
アフリカ大地溝帯では、プレートの広がりを埋めようとマグマやマントルが上昇し、中央部に巨大な谷、周囲に高い山・火山・温泉が見られます。
アフリカ大地溝帯
海洋上の場合
海洋上でプレートが両側へ広がる場合、境界部分に海嶺
が生じます。
大西洋の大西洋中央海嶺が代表的です。
海洋上の広がる境界
アイスランドは、大西洋中央海嶺上に位置し、マグマの影響で温泉・火山を有する国家です。
大西洋中央海嶺とアイスランド
温泉と地熱の蒸気(アイスランド)
狭まる境界
狭まる境界では、プレート同士がぶつかり合います。
境界が陸上か海洋上かで形成されるものが異なります。
狭まる境界
陸上の場合
大陸上でプレート同士がぶつかり合う場合、境界部分に褶曲
山脈が生じます。
例えば、ヨーロッパのアルプス山脈
やアジアのヒマラヤ山脈が該当します。
陸上の狭まる境界
褶曲で形成された地形
海洋上の場合
大陸と海洋の付近でプレート同士がぶつかり合う場合、海洋側のプレートは沈みこみます。
境界部分の海底には海溝が生じます。
海洋側のプレートが沈み込んだ先ではマグマが噴出し、海溝に平行するように弧状列島や火山が分布します。
例えば、日本海溝には日本列島(弧状列島)が平行します。
マグマ
沈み込んだ海洋側のプレートが運んだ水により融点降下が生じ、大陸側のプレート下のマントルの一部が融解して発生
火山前線(火山フロント)
海溝に平行するように分布する火山のうち、最も海溝側に近いもの同士を結んだ線
海洋上の狭まる境界
世界で水深の最も深い場所は、フィリピン海プレートに沿うマリアナ海溝です。
マリアナ海溝の最深部がチャレンジャー海淵(-10920m)
マリアナ海溝
ずれる境界
ずれる境界では、プレート同士が境界に沿ってすれ違います。
境界では強い地震が発生します。
アメリカのカリフォルニア州のササンアンドレアス断層が代表的で、地震がよく発生します。
ずれる境界
*破線は不明瞭な境界
ずれる境界
サンアンドレアス断層
*青線がずれる境界
サンアンドレアス断層
大地形
地球上の陸地は、46億年前に地球が誕生して以来、プレートの動きなどによる大規模な変動を受けてきました。
これら陸地は、どの時期を最後に大規模な変動を受けていないかで、次の3つに区分されます。
安定陸塊
長い年月、大規模な変動を受けていないため、侵食が非常に進んで平坦な土地が広がります。
資源としては、鉄鉱石が分布します。
安定陸塊の分布
古期造山帯
安定陸塊に比べると短いですが、長い年月の侵食で起伏の緩やかな山地が広がります。
資源としては、石炭が分布します。
例:スカンディナビア山脈、ペニン山脈、アパラチア山脈、グレートディヴァイディング山脈、テンシャン山脈
テンシャン山脈はその後の断層活動により隆起し、古期造山帯の他の山脈より起伏大(高い標高)
古期造山帯の分布
新期造山帯
大規模な変動をうけてから年月が短く、起伏の大きい(標高の高い)山地が広がります。
資源としては、石油が分布します。
例:環太平洋造山帯、アルプス=ヒマラヤ造山帯
新期造山帯の分布
大規模な変動をうけた後、陸地は次の2つの力で様々な地形を形成します。
これらの地形(火山など)は、形成されてからの年月が短い新期造山帯でよく見られます。
地震・火山との関係
新期造山帯は、地震と火山活動の分布と重なります。
言い換えれば、安定陸塊・古期造山帯は、地震と火山活動が少ないのです。
主な地震活動の分布
主な火山活動の分布
プレート・境界・大地形の分布まとめ
主要なプレート
境界
大地形