東南アジア地誌-各国

表記について

タイ

基礎データ

タイ
タイ
人口(万人)(2020)6,980
面積(万㎢)(2019年)51
人口密度(人/k㎡)136
1あたりGNI(ドル)(2019年)7,260
公用語タイ語
主な宗教上座仏教(小乗仏教)
宗主国なし(独立を維持)
首都バンコク

宗教

タイの主な宗教は、上座仏教(小乗仏教)です。
タイの人々は、仏教の僧侶に対して敬意をもって接します。
僧侶
僧侶
ワット・プラ・ケオ
タイの寺院
*ワット・プラ・ケオ

農業

タイは、世界有数の米の輸出国です。
チャオプラヤ川流域が有名な稲作地域で、この地域の稲作は商業的です。
米(もみ)の生産
国名万t(2019年)
中国20,961
インド17,765
インドネシア5,460
バングラデシュ5,459
ベトナム4,345
タイ2,836
米の輸出
国名万t(2019年)
インド973
タイ685
ベトナム545
パキスタン456
アメリカ305
中国272
東南アジアの河川
東南アジアの河川
タイの稲作は、河川の洪水に備えて浮稲を伝統的に栽培してきました。
浮稲の土地生産性は低く、近年灌漑設備が整備されて必要性が薄れて、その生産が減少しました。
浮稲
浮稲

天然ゴム

タイは、世界最大の天然ゴムの生産国・輸出国です。
ゴムの木
ゴムの木
*樹液を凝固・加工したものが天然ゴム
天然ゴムの生産
国名千t(2019年)千t(1990年)
タイ4,8401,418
インドネシア3,4491,275
ベトナム1,18558
インド1,001297
中国840264
コートジボワール66574
マレーシア6401,292
天然ゴムの輸出
国名千t(2019年)
タイ3,117
インドネシア2,580
コートジボワール876
ベトナム750
マレーシア631
ラオス224

さとうきび

タイは、世界有数のさとうきびの生産国です。
タイでは、さとうきびをバイオ燃料にも利用しています。
さとうきびをバイオ燃料に利用している国は、ブラジルが有名
さとうきび
さとうきび
天然ゴムの輸入
国名千t(2019年)
ブラジル75,290
インドネシア40,542
タイ13,100
中国10,939
パキスタン6,688

歴史

1960年代

緑の革命
品種改良による高収量品種の導入
灌漑施設の整備
乾季でも稲作が可能になりました(二期作が拡大しました)。
反面、大量の資金・肥料・農薬が不可欠になりました。

1980年代

外国企業がタイに進出しました。
タイの輸出の中心が、一次産品から電気機械などへ変化しました。

1997年

アジア通貨危機
タイの通貨が暴落し、経済成長マイナスがアジアに波及した出来事
タイ 輸出品目(2019年、%)
機械類31.4
自動車9.9
金(非貨幣用)5.8
プラスチック類4.1
金属製品2.5
タイ 輸入品目(2019年、%)
機械類32.1
原油8.5
鉄鋼4.8
自動車3.8
金属製品3.6

マレーシア

基礎データ

マレーシア
マレーシア
人口(万人)(2020)3,237
面積(万㎢)(2019年)33
人口密度(人/k㎡)98
1あたりGNI(ドル)(2019年)11,230
民族マレー系・中国系・インド系
公用語マレー語・中国語・タミル語・英語
主な宗教イスラーム
宗主国イギリス
首都クアラルンプール

民族

マレーシアの民族は、次の3系統で構成されます。

政治

マレー系の人々は、マレーシアの先住民であり、国民の約6割を占めます。
しかし、マレーシアの経済活動は中国系に仕切られていたため、マレー系の人々が不満を抱えました。
1970年代、ブミプトラ政策の導入
マレー系を雇用・教育面で優遇し、中国系やインド系との格差是正を目指す政策
ブミプトラ
マレー語で「土着の子」の意
マレーシアがマレー系優遇を進め始めた1960年代に、対立を強めた中国系の人々がシンガポールを建国

農業

パーム油

かつてマレーシアは、天然ゴムの生産量でタイに並ぶほどでした。
天然ゴムの国際需要が減少するなか、マレーシアではゴムの木の栽培がパーム油を搾取できる油ヤシの栽培に置き換わっていきました。
現在、マレーシアは世界有数のパーム油の生産国です。
天然ゴムの生産
国名千t(2019年)千t(1990年)
タイ4,8401,418
インドネシア3,4491,275
ベトナム1,18558
インド1,001297
中国840264
コートジボワール66574
マレーシア6401,292
パーム油の生産
国名万t(2019年)
インドネシア4,287
マレーシア1,986
タイ304
コロンビア153
ナイジェリア122
油ヤシ
油ヤシ
ラクトアイスとパーム油
ラクトアイスとパーム油

鉱工業

マレーシアは、先進国の日本をモデルとした成長を目指すルックイースト政策を掲げています。

すず鉱

マレーシアは、世界有数のすず鉱の生産国です。
すず鉱の生産
国名千t(2019年)
中国166
インドネシア76.4
マレーシア24.3
ペルー19.6
ボリビア14
クアラルンプールのすず工場のオブジェ
クアラルンプールのすず工場のオブジェ

貿易

マレーシア 輸出品目(2019年、%)
機械類45.4
石油製品5.5
精密機械4.2
パーム油4.2
衣類4.2
マレーシア 輸入品目(2019年、%)
機械類39.7
石油製品7.1
プラスチック類3.4
精密機械2.9
鉄鋼2.6

シンガポール

基礎データ

シンガポール
シンガポール
人口(万人)(2020)585
面積(万㎢)(2019年)0
人口密度(人/k㎡)8,357
1あたりGNI(ドル)(2019年)59,590
民族中国系・マレー系・インド系
公用語中国語・マレー語・タミル語・英語
主な宗教イスラーム
宗主国マレーシアから分離
首都シンガポール

歴史

1960年代、マレーシアでマレー系優遇政策が進められました。
1965年、対立を強めた中国系の人々が、シンガポールを建国しました。

言語

国土面積が狭く、天然資源も少ないシンガポールは、建国当時から英語学習に力を入れてきました。
4言語が公用語として定められていますが、教育やビジネスの場では英語が使用されます。

鉱工業・貿易

建国直後から、輸出志向型工業化へ転換しました。
輸出加工区のジェロン工業団地を中核に発展してきました。
ジュロン工業団地
ジュロン工業団地
現在、シンガポールの1人あたりGNIは、アジアの国の中で最も高くなっています。
シンガポール 輸出品目(2019年、%)
機械類50.5
石油製品7.3
精密機械5.1
金(非貨幣用)4.4
プラスチック類3.2
シンガポール 輸入品目(2019年、%)
機械類49.2
石油製品9.5
金(非貨幣用)5.4
原油4.4
精密機械4.1

インドネシア

基礎データ

インドネシア
インドネシア
人口(万人)(2020)27,352
面積(万㎢)(2019年)191
人口密度(人/k㎡)143
1あたりGNI(ドル)(2019年)4,050
公用語インドネシア語
主な宗教イスラーム
宗主国オランダ
首都ジャカルタ

言語

インドネシアは、5つの主要な島とその他の群島で構成されます。
島ごとに文化・言語が異なり、人々の国家への帰属意識が希薄になりがちです。
インドネシア政府は、帰属意識を強めるために共通語としてインドネシア語を作り、この言語を唯一の公用語としました。

人口

インドネシアの人口は、世界4位で、東南アジアのなかでは最大です。
その人口の大半は、ジャワ島に集中しています。
インドネシア政府は、ジャワ島の住民を周辺の島に移住させる政策を進めています。

農業

インドネシアは、人口を支えるために米の生産量が世界有数です。
しかし、それでも米の消費量が生産量を上回るため、米の輸入をしています。
インドネシアの棚田
インドネシアの棚田

天然ゴム・パーム油・コーヒー豆

米以外に、天然ゴム・パーム油・コーヒー豆の生産も世界有数です。

鉱工業

石炭の生産量は世界有数です。
石炭の生産
国名百万t(2018年)
中国3,697.7
インド728.7
インドネシア548
オーストラリア410.9
ロシア358.6
アメリカ合衆国325.8
原油・天然ガスも産出されます。
インドネシアは、アジアで唯一のOPEC加盟国です。

貿易

インドネシアは、今なお一次産品の輸出が多い国です
インドネシア 輸出品目(2019年、%)
パーム油10.6
石炭10.1
機械類8.9
鉄鋼6.9
衣類4.6
インドネシア 輸入品目(2019年、%)
機械類29.1
石油製品5.6
鉄鋼5.5
プラスチック類4.2
繊維品3.8

フィリピン

基礎データ

フィリピン
フィリピン
人口(万人)(2020)10,958
面積(万㎢)(2019年)30
人口密度(人/k㎡)365
1あたりGNI(ドル)(2019年)3,850
公用語フィリピノ語、英語
主な宗教キリスト教(カトリック)
宗主国アメリカ(~18c末、スペイン)
首都マニラ

宗教・民族問題

フィリピンは、アメリカ植民地になる以前に、約300年間スペインの植民地であり続けました。
その間、フィリピンでは宣教師がカトリックの布教を盛んにおこないました。
結果、現在ではフィリピンの人口の約9割がカトリックです。
マニラ大聖堂
マニラ大聖堂
フィリピンの南部には、イスラーム教徒で少数派のモロ人が住んでいます。
スペイン統治時代に受けた差別やカトリックとの宗教的対立から、モロ人は分離独立を求めています。

農業

バナナ

フィリピンは、世界有数のバナナの生産国・輸出国です。
日本ではフィリピン産のバナナが店頭に並び、「バナナ=フィリピン」の印象が強いですが、世界最大の生産国はインドです。
バナナ
バナナ
バナナの生産
国名万t(2019年)
インド3,046
中国1,166
インドネシア728
ブラジル681
エクアドル658
フィリピン605
バナナの輸出
国名万t(2019年)
エクアドル667
グアテマラ259
フィリピン242
コスタリカ238
コロンビア190
オランダ92

フィリピンでは、標高1500mに達する山間部の急傾斜地に、少数民族が築いてきた大規模な棚田群がみられます。
特にルソン島の棚田群は、植民地時代の街並みや教会とともに代表的な文化遺産に指定されています。
コルディリェーラの棚田群
コルディリェーラの棚田群
別名「天国への階段」

貿易

フィリピンは、輸出品目の上位に果実・野菜(バナナ)が入ります
統計によっては直接「バナナ」と表記
フィリピン 輸出品目(2019年、%)
機械類64.8
バナナ2.8
精密機械2.6
金(非貨幣用)2.1
1.9
フィリピン 輸入品目(2019年、%)
機械類34.9
自動車7.3
石油製品6.5
鉄鋼3.9
原油3

ベトナム

基礎データ

ベトナム
ベトナム
人口(万人)(2020)9,734
面積(万㎢)(2019年)33
人口密度(人/k㎡)294
1あたりGNI(ドル)(2019年)2,590
公用語ベトナム語
主な宗教仏教(大乗仏教)
宗主国フランス
首都ハノイ

農業・工業

第二次世界大戦後、ベトナムでは宗主国のフランスとの戦争、そしてアメリカが関与した内戦が起こりました。
これらの激動を経て、1976年、ベトナム社会主義共和国が樹立しました。
ベトナムは、内戦が長く続いたことや、アメリカが社会主義の拡大を許さずに経済制裁を加えたことで、工業化に遅れました。
1986年、ドイモイ政策の導入
社会主義体制のまま、市場経済と外国資本を許可
農業:
生産意欲の向上、米・コーヒー豆の生産の拡大
工業:
メコン川河口付近の油田開発、外国資本の投資の増加
コーヒー豆の生産
国名千t(2019年)
ブラジル3,009
ベトナム1,684
コロンビア885
インドネシア761
エチオピア483
ホンジュラス476

貿易

ベトナム 輸出品目(2019年、%)
機械類46
衣類10
履物6.1
家具4
鉄鋼2.2
ベトナム 輸入品目(2019年、%)
機械類44.9
繊維品5.9
プラスチック類4.7
鉄鋼3.5
精密機械3.1